ちょっとして琴美先生が入ってきた。


「晴ちゃん、どう?」

「私は大丈夫だけど…。瞳は?」

「瞳ちゃんも落ち着いたよ。もう大丈夫。」

「そっか、それならいいんだけどね。」

「そんな暗い顔してないで!さっきちょっと慌ててたけど、喘息の方は大丈夫?」

「うん、大丈夫。」

「そっか。
今日はもう帰っちゃうけど、明日またちゃんと、話聞くから。それまでに気持ちを整理しておける?」

「先生、ありがとう…。」


涙が出てきた。それを見ていた琴美先生はギュッと抱きしめてくれた。
私の涙が止まるまで、そのままの体勢でいてくれた。


「もう大丈夫。先生ありがとう。」

「よかった。それじゃあ私は瞳ちゃんの診察の続きをしてこなくちゃ。」

「あ、ごめん!そういえばまだ終わってなかったね…。」

「大丈夫、瞳ちゃんも今朝ごはん食べてるから。」

「そう…。」

「それじゃあ、私がいない間、楓の言うことよく聞くんだよ。」

「うん、大丈夫。」

「楓、10時ぐらいに迎えに来てあげて。そのままネブライザーしに行ってね。」

「わかりました。」

「晴ちゃんもそういうわけだから、心の準備だけしておいてね。」

「はい。」

「じゃあ楓も着いてきて。晴ちゃん、安静にね。わかってると思うけどあんまり出歩いちゃだめだよ?」

「大丈夫。早く瞳のところに行ってあげて。」

「ふふふっ。仲良しだね。それじゃあまた明日ね。」

「うん、楓先生もありがとうございました。」


琴美先生と楓先生はベッド周りから出て、そのまま瞳の診察をしに行った。

瞳にも心配かけちゃったかな…。明日までにしっかり気持ちの整理して、琴美先生に聞いてもらおう。

何だか泣いたら少しスッキリした。