そりゃあそうだ。桜花病院は晴のかかりつけ病院だから当然主治医は桜花病院にいる。そして、晴は喘息が出てるのに病院に行かなかったから主治医の先生に遭遇したら間違いなく怒られるはず。


「晴…。」

「ぁ、ごめん。大丈夫だよ。それより瞳の方が心配。病院、決して小さくはないし…。」

「……。」

「大丈夫、私は瞳についてるから。」

「うん、ありがとう…。」

「でも一体どうして病院に?」

「2人とも昨日の健康診断で引っかかった項目があったからね。それに水谷さんの方は主治医の診断結果も欲しいし。」


晴、ジ・エンド。
顔がチーンってなってる。これは怒られるの決定だな。


「着いたらまず倉内さんの心電図検査から行くからね。」

「瞳っ、心電図ひっかかったの?!」

「うん、再検査って言われた…。でも緊張しすぎかもしれないし…。とりあえず友達と来て緊張を解してもらいなさいって言われたから晴と来れてちょうど良かったかも…。」


私なりの精一杯の強がり。本当は今にも心臓が壊れてしまいそうなぐらいバクバクしているし、もう今すぐ帰りたいレベル。

だけど晴はいつも見抜いてくれる。


「瞳、大丈夫。おちついて。その検査、私も立ち会っていいの?瞳の緊張解すの手伝えると思うんだけど。」

「病院の人がいいって言ったら大丈夫だと思う…。晴、ありがと。」


しばらくして車は病院に到着した。