翌朝。


ジリリリリッ。
目覚まし時計の音で目が覚める。

私全然起きないから時計の頭に2つベルがついててジリジリなるタイプのうるさい目覚まし時計を使っている。

でも今日はその目覚まし時計が頭に響いて痛い。


体を起こすと激しい頭痛に襲われてベッドに舞い戻った。
これはやばい…。
朝ごはん食べてないけど、頭痛薬を飲んで少しベッドでじっとしていた。そうでもしないとどうにかなりそう。


「瞳ー!朝だよー!ご飯出来てるよー!」


お母さんの叫び声が聞こえる。お母さん、朝から元気だなぁ。


「はぁーい、今行くー!」


仕方ない、私も叫んでから朝ごはんを食べに行った。


「あ、はいこれ保険証。」

「え、なんでお母さん知ってるの?」

「だって昨日田川先生から電話あったからねー。」

「なんで?昨日かかってきた電話、私がとった、っていうかお母さんいなかったじゃん。」

「あー、きっとね、あの先生が家に電話くれて瞳が出た後にお母さんのケータイにも電話くれたんだよ。保険証って身分証明書にもなるから無闇矢鱈に持ち出していいものでもないしね。」

「あ、そう…。」


田川先生、手強いかも…?


「そうそう、あんた体調大丈夫なの?」


げー、そんなことまで…。


「大丈夫だよ。」

「熱は?あなたいつも隠すからー。」

「ないから大丈夫、行ってきます。」

「あー、ちょっと!ごはん途中じゃん!」

「初めてのテストで緊張してるみたい、行ってきます!」


保険証だけ持って、お母さんの静止を振り切って家を出た。ごめん、お母さん。
でも嘘はついてない。はず。

朝飲んだ頭痛薬、頭痛薬って書いてあるけど解熱鎮痛剤だからか少しだるさは残っているけどかなり元気になった。
といってもこれかなり怪しい元気だと思う。なんか変なんだよ、上手く言えないけど。空元気を薬で作ってるというか…。
きっと薬で無理やり熱を下げてるからだね。いつまで体調もつかなぁ…。

まあ後で考えよう、とりあえず晴の家に向かう。