お、晴の方も無事に終わったみたい。


「二人とも、お疲れ様!これで退院できますね。」

「やったあ!」


晴さん、大はしゃぎ。


「あ、はめ外しすぎるとまたすぐ戻ってくることになるよ?」


遠藤先生、怖いです…。


「もう戻ってこないから大丈夫!」

「何が大丈夫だ!一生ついて回るんだからね、上手に付き合っていかなきゃいけないんだよ。」

「うん、わかってる。」

「本当かなあ…。」


なんか遠藤先生がぼやきたくなる気持ちもよくわかる、だって晴のはしゃぎようがすごいもん。


「それじゃあお二人さん、残りの片付けしようか?着替えて残りを片付けたら退院だ!」

「はーい!!」


でも私もうれしい。すごくうれしい。長かったこの1週間、本当によく頑張ったと思う。この生活も今日でおさらば。今後も病棟にお世話にならずにすむようにしたいな。


「それじゃあ片付けが終わったら荷物をもってナースステーションにおいで。もうすぐでお母さんたちもみえるよ。」

「はーい!」


いつになく元気な返事を返すと、遠藤先生は満足そうな笑みを浮かべて部屋から出ていった。


「ねえ瞳、学校に復帰したら最初になにがしたい?」

「まずいろんな人と話したいでしょ、部活も見に行きたいし、そうだ、田川先生と長谷部先生にお礼を言いに行かなきゃね!」

「ほんとだね!でもクラスのみんなと仲良くなる前にこんなことになっちゃったでしょ?少し心配だな…。」

「私ね、晴と一緒なら何とかなる気がするんだ~。」

「ふふっ、うれしい。でもどうしたの?なんか瞳らしくないね?」

「ん?あのね、今回、適度に人を頼るのも大事だってわかったから。」

「つまり?」

「もちろん、自分たちで努力するんだよ?だけど本当にどうにもならなかったら自分でため込まずに頼れる人を頼るのも大事だなって思ったの。それこそ田川先生とかね。学校には既に頼れる先生がいるんだよ。それにたとえ二人ではぶけにされても、二人いたらなんとでもなるでしょ?私たちの絆はだれにもさけないんだから。」

「うん、そうだね。私には瞳がいるし、瞳には私がいる。それから困ったときに助けてくれる担任の先生もいる。これで十分だね。贅沢すぎるぐらいかも。」