大葉ななみは、雅高校1年。 部活は入っていない。
ある春の日、ななみは、移動教室へ行くため、教室を飛び出した。しかし、チャイムがなるまで後5分…教室から移動教室までは、かなり距離がある。ななみは、時間がないのに気づいたためか、思いっきり、廊下を走り出した。
チャイムがなる直前、ななみは、走るスピードを上げた。すると、自動販売機コーナーからだれか出てきた。ななみは、止まろうとしたが、間に合わず、その人にぶつかってしまった。
『いたた…』
ななみとぶつかったのは、隣のクラスの原 浩士だった。
『大丈夫か?』
浩士は、言った。
『大丈夫。ありがとう。』
ななみは、笑顔で答えた。でも、浩士は、
『いや、大丈夫じゃないだろ、さ、手を出して、時間大丈夫じゃないだろ。』
とななみに手を出してきた。