「シェリル?起きたのか?」


隣の執務室にいたレオンは鈍い音を聞いた。


扉を開けると、床の上に倒れているシェリルが目に入る。


「シェリル!?」


床に倒れたシェリルに駆け寄ると、レオンは片膝を付きシェリルを抱き起こした。


身体を起こされたシェリルはうっすらと目を開けた。


「大丈夫か?」


レオンは鋭く見つめながら、シェリルの豊かな髪の中の頭に触れ、異常がないか丁寧に指で確かめる。


額の右上が少し赤く腫れている。


「額が腫れている」


シェリルは目を閉じて痛みを堪えていた。


「ごめんなさい……」


歩けもしないのに自分はバカな事をした。


「痛むのは額だけか?他に痛むところは?」


シェリルがひとりでベッドから落ちたのではないことに、レオンは部屋に入った時から気づいていた。