ヴァンパイアの花嫁

ダーモッドがエミリオを探し出し、一緒にいたアシーネと共に寝室に姿を現した。


先ほどまでティナが眠っていたベッドにレオンが眠っていた。


「レオン……」


これがレオンのティナを想う愛なのだろうか……。


自分を死に近づかせてまで彼女をヴァンパイアにさせたかったのか?


意識のないレオンの顔を見て思う。


ベッドの端に座ったエミリオはレオンに生気を送り始めた。


アシーネがエミリオの隣に立つ。


「レオン様が目を覚ましたらわたくしがお相手をするわ」


アシーネの言葉にティナが不安な顔でエミリオを見た。


ヴァンパイアの世界を良く知っているアメリアはアシーネの言っている意味がわかり驚いた顔になった。


「本気で言っているのかい?」


エミリオがアシーネを睨む。


アシーネが言ったのは生気を送ることではない。


レオンと愛し合うことだ。


「ええ、早くレオン様に元気になっていただかないと」


真っ赤な唇に笑みを浮かべる。


「ティナちゃんのいる前でそんなことは言うんじゃない。それにレオンは受け入れないだろう」


エミリオは自分の婚約者に怒りを覚えた。