ティナの拒絶にレオンは胸が痛んだ。


やはりヴァンパイアにさせるのは無理だったのか……。


死んで欲しくないばかりにティナをヴァンパイアにさせてしまった。


目の前の少女はぶるぶる震えていた。


ティナは震えを止めようと自分の手の甲をぎゅっと反対の手で握る。


あまりにもぎゅっと握った為に手の甲の皮膚が傷つていく。


「ティナ!」


レオンがティナの手をつかむ。


「爪が……」


爪が鋭く伸びていた。


前の自分と様変わりしてしまったことにショックを受けている。


思わず自分の手とレオンの手を見比べてしまう。


その時、はっとしてレオンの掴まれていない方の手で自分の歯に触れる。


「き、牙……?」


犬歯に触れると尖っていた。


ティナの目からポロポロと涙がこぼれだした。