「少し話をしよう」


ティナの不安を取り除いてやりたい。


「……嫌」


ティナはレオンの口から自分の運命を聞きたくなかった。


「ティナ……」


レオンは華奢な身体のティナを抱き上げた。


「少しこのままでいて……」


ティナは小さく呟く。


忙しいレオンを今だけ束縛したかった。


レオンは眉根を寄せてティナの顔を覗き込んだが、長いまつ毛が瞳を隠していた。


「ティナ、寝るまで抱いているから何も考えずに眠りなさい」


目を閉じているティナにレオンは優しく声をかけた。