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「レオン様」


父王の執務室にタイラーが入ってきた。


「なんだ?」


「閣下はいつレオン様がこちらへ戻ってきてくれるのか心配しておられます」


「すぐに逝くわけではないだろう?」


容態が悪くなったと連絡が入ったから来てみればさほど悪いようには見えなかった。


「それはわかりません。ただ寿命が迫っていることは確かでございます。閣下の御容態が悪くなれば反対派の輩が何か企むことでしょう」


「……」


「レオン様、お妃(きさき)様にカサンドラ様ではだめなのでしょうか?」


レオンは書く手を止めてタイラーを見た。


「まだ言っているのか?私にはティナがいる。父上も認めたはずだ」


「ですが、まだ人間ではありませんか」


「無理強いはしたくない」


レオンはいらだたしげに立ち上がると執務室を出て行った。