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ティナは今、レオンとふたりっきりで寝室にいた。


「お話ですか?」


「あぁ……」


レオンの表情は浮かない。


大事な話を切り出すのを躊躇っているみたいだ。


「ティナ……」


「どうしたのですか?レオンらしくないです」


いつもと違う歯切れの悪いレオンにティナは微笑む。


車イスに座ったティナの前にイスに座ったレオンがいる。


「……ティナ、ヴァンパイアになって欲しい」


言葉を聞いた途端にティナの微笑が凍りついた。