「いや、色々あったせいだ。過敏になって当然だ」


ゆっくりとティナの髪を梳く長い指。


「レオンがいてくれて良かった……」


この人がヴァンパイアだということを忘れてしまいそうになる。


今まで、ティナはこんなにきれいな男性を見たことが無かった。


顔を近づけられるとドキドキしてしまう。


「うれしいことを言ってくれるね?」


レオンがふんわりと優しく微笑む。


「レオン様、うれしいのですか?」


こんな言葉は聞きなれているはず。


「ティナが言ってくれるからうれしいんだ」


レオンはピンク色になった頬に唇を落とす。


「……カサンドラのことは私に任せてくれ。私が愛しているのは君だ」


ティナは素直に頷いた。