「まだいたのか」


「ええ。人間の娘にうつつを抜かしているレオン様に目を覚ましていただこうとわたくし自ら人間界へ出向きましたの」


「ティナを傷つける者に用は無い。帰るんだな」


レオンが冷たく言い放つがカサンドラはフフッと笑っただけだった。


「嫌ですわ」


「カサンドラ!私を本気で怒らせないうちに帰るんだ」


レオンが声を荒げた時、ティナの目がパチッと開いた。


「レオン……?」


まだ眠そうな空色の瞳がのぞいた。