「歩けないとは……クッ。ますます都合がいい」


「都合がいい?」


ダーモッドが何を言っているのかと聞き返す。


「歩けなければ逃げ出すことも出来ないからな。じわじわと楽しみながら血を堪能するとするか」


この男はあたしをエサにしようとしているんだ……。


レオン……。


屋敷を飛び出してしまったことをひどく後悔する。


こんな男に捕まってしまうなんて……。


もう遅い。


男がニヤリと薄気味悪い笑みを浮かべ、ティナを抱き上げようとした。