焼きあがったシフォンケーキは食べられることなく捨てられた。


ティナはレオンが強制的に眠らせてから現実を拒否するかのように眠っていた。


レオンはティナの身体が癒えるまで眠っていた方がよいと考えていた。


ティナの両親はヴァンパイアに殺された。


ふたりに障害が出来てしまった。


ティナ……。


目を覚ましたら以前のように私に微笑んでくれるのだろうか……。


いや……それは無理だろう……。


すべてを思い出したティナは私を拒絶するはず。


ヴァンパイアに殺された両親。


ティナはヴァンパイアを憎むだろう。


自分の正体を明かさなくてはならない。


それは……すぐそこまで来ていた。