「俺、ご主人様を呼んでくる!」


そう言うと城へと続く扉に消えた。


「心配なさらぬよう。シェリル様」


シェリルの顔は紙のように白かった。


「違う!あたしの……名前……違う……あたしは、シェリルじゃないっ!」


大きくかぶりを振ると、淡いブロンドの髪の毛から先ほどのガラスの破片が飛び散る。


「シェリル様?」


アメリアはガラスの破片を払おうと手を伸ばした時、少女の目が大きく見開いた。


「あたしは……ティナ……」


少女はすべてを思い出した。


「思い出したのですか!?」


アメリアはシェリルの顔をよく見ようとしゃがんだ。