俺に惚れていいよ







実際、沙耶は私の本性を全部知ってるしね。


「真彩(まあや)も王子のこと見てたの?」

沙耶は短い髪を耳にかけながら王子を目で追って言う。


「まさか」

「だよねー」

分かってるよと言うように笑う。


わたしたちは王子を追いかけて女の子たちが居なくなった静かな道を校舎に向かって歩きだす。