夜の闇を明るく照らす満月



その中をカツカツとヒールの音を響かせながら歩いていく。



もう夜も遅い時間だったため、他の音は聞こえてこないはず……だった。


『バキッ ドカ』


一本奥に入った道から喧嘩のような音が聞こえた。


いつもならこんな音は気にしないのだが、


今日は無性に気になって音のする方にそっと近づいた。