そのあとは
驚くほど柔らかい風が頬に触れた。

そして、彼女は「ほら。君のターンだよ。」とこちらに言っているようだった。

そして、俺はなにも言えずに立ち尽くすだけだった。

「知りたかったんだよね?わたしの正体」

一歩一歩と近づいてくる彼女に
俺はさっきまで震えていた足をなんとか動かしながら、後ずさりをしていた。

それでも彼女は一歩ずつ俺に近づいてくる。