「行くぞ」



振り払ったはずの手がもう一度大上くんの手と繋がる。



「え?」



聞き返したと同時にあたしは大上くんにお姫様抱っこされた。



その瞬間、于海さんが悲鳴をあげ、愛は「犬太、がんばれ!」なんて言っている。