「あの時も紗知のこと聞こうと思って。そういえば、誰かに階段で押されて……」

そう言うと和海の顔がまた険しくなっていく。

私は「宮沢君に抱きしめられた」という言葉を飲み込んだ。

「押し倒されて?」

和海には私が言おうとしたことが分かるのだろうか。

「……抱きしめられました」

和海が不意に私を抱きしめた。

「っ//」

私と和海は(ほぼ)全裸。恥ずかしすぎる。

「俺、限界」

和海はそう言って風呂からあがった。

「え、ちょっと」

私はかたすかしをくらった気がして和海のあとを出るようにあがった。


「有紀、その格好俺を誘ってんの。今、本気で俺ヤバいから」

和海は私と同じでバスローブ姿だった。
濡れた髪とチラリと割れた腹筋が見える和海の姿は色気がすごい。

つまり、

「かっこいい……」

「はぁ、俺もう無理」

和海は一度天井を仰ぎ見て私の唇を奪った。

「ん……」

「口あけて」

和海は一旦私から口を離して言った。

私は言われるがままに口を小さく開けた。

「ん、んん、、、」

和海の舌が口の中に入ってくる。

「ぁん……ん」

息ができない。

私は腰がぬけてしまった。

和海は私の体を支えてベッドに押し倒した。