「ダメですか。恋人はデートに行くものだとばかり思ってました」

「いや、嬉しいけどさ。思ってたのと違ったから」

和海は私に近づいて軽くキスをした。

「っ~//」

顔が赤くなるのが分かる。
はあ、またおかしくなった。

「顔真っ赤。あと、これからは敬語なし」

「何でですか?」

敬語なんて、先輩と後輩の関係では当たり前だ。

「なんか煩わしいなと思ったから」

「煩わしいですか?」

私が思うならまだしも和海が思う理由が分からない。

「そう、キスしたのに敬語だと萎えるから。これからはタメ口」

「……分かった」

タメ口は分かった。
しかし、

「萎えるって何ですか?」

聞き捨てならない台詞があった気がする。

「それなら、漫画でも買いに行くか」

……完全無視。
和海はパソコンの電源を落とした。