「兄貴また」

「ああ、あの件は潤がやっとけ」

「はい。有紀ちゃんもまた」

「はい」

玄関で潤を見送った瞬間和海に後ろから抱きしめられた。

「え?何するんですか」

「有紀はさっきまで俺らのこと見て何想像してた?」

耳元で囁かれる。

「秘密です」

「そんなことが俺に通ると思ってるわけ?」

「そんなこと言われても秘密です」

「却下」

和海は私を抱きかかえてソファーに押し倒した。

「今襲われるのと正直に話すのどっちがいい?」

「どっちも嫌です」

「そんな選択肢あるわけないだろ。俺らを見て顔を赤くしてたんだから。もしかして潤に惚れた?」

「惚れたって言われても。潤さんに顔を赤くする要素があるんですか」

私は体に力を入れて和海の拘束を解こうとするがビクともしない。

「お仕置き」

唇に柔らかいものが触れた。

「なっ!また…」

「ただのキスで次は済まないから。最後のチャンス」

「………」

「言わないのか?」

和海が私から離れた。

「…………」

和海は怒ってる。めっちゃ怒ってる。

「あ、え、、と、その…」

「………」

「秘密は、、、秘密です」

「じゃあ、お仕置き。一緒に風呂入るぞ」

「へ?」

和海は立ち上がった。

「ほら、行くぞ」

「え?ちょっと待って下さい!」

和海は私の声を無視して私の腕を掴んで風呂場に入った。