「なんで教室に来るんですか」

生徒会室に着いて私はずっと黙ったままの和海にせめるように言った。

生徒会室は私と和海しかいない。

「男避け」

和海はそう言ってフカフカの椅子に腰を下ろした。

「………」

返す言葉が見つからない。こんなくだらない事のために私の明日からの学校生活を台無しにしたのか。

「何?不満なの?」

「私、明日からいじめの日々が始まりますね」

和海を睨みつけながら嫌味たっぷりに言う。

「そんなの無視してればいいじゃん」

パソコンを起動させながら面倒くさそうに言ったのを見てため息をつく。

「もういいです。私、帰るんで……」

「カズーー」

私が帰ろうと体を半転させたのと、ドアが勢いよく開いたのが同時だった。

「あ」

目の前にいたのは今日の朝和海の情報収集で会ったチャラそうな男だった。

「何、お前ら知り合い?」

「今日の朝……」

「なんでもありません!!!」

チャラ男の声を慌てて遮った。

チャラ男に目で訴える。すると、納得したのかウィンクをしてきた。

ほっと胸をなでおろす。