「それとも、宮沢の方がいいの?」

「ち、違います……」

怖すぎて敬語になった。

「そんなに緊張して大丈夫?」

気遣ってくれることがぎゃくに怖い。

「だ、大丈夫……です」

「それならよかった」

この笑みは危ない。

「ねえ?どうやって責任とるの?」

やっぱり危険だった。

私は頭をフル回転させて逃げ道を探す。

「逃がさないよ」

和海の声にゾクッと震える。

「ほら、早く。そうしないと有紀を閉じ込めちゃう」

ニコっと笑う。

「この家に閉じ込めとけば有紀はもう浮気できないよね?」

こ、怖すぎ……。

「そうされたくないなら早くして?」

「あ、え、その………」

冷や汗しか出てこない。

「なに?」

「せ、責任ってどうすれば……」

和海から目が離せないから、頭の中は真っ白だ。

「自分で考えて?」

笑いながら和海は無理難題をふっかけてくる