私は、加藤くんの部屋に行った。

「恋咲ちゃん!」

加藤くんが私のあとをついてきた。

「じゃあ、やろうやろう!」

「うん」


「これとか良くない?」

私達は加藤くんのベットに座って話し合う。

「うんうん!この衣装可愛い!」

ジュリエットの衣装、これがいいな。

「あのさ、最後の方にキスシーンあるんだけどさ、キスしていい?」

グイッと加藤くんが顔を近づかせてきた。

「え、それは……」

私が戸惑っていると、加藤くんは笑った。

「ははっ!まぁ、それは本番決めるよ。台本は明日までに完成させるって委員長が言ってたぜ。だから早速明日から練習だな」

「あ、そっか……ちゃんとできるかな」

「恋咲ちゃんなら大丈夫だよ!」

「ありがとう加藤くん」

それから数十分話し合って、私は自分の部屋に帰った。

「おい加藤……」

「なんだよ腹黒」

私が自分の部屋に入ってから、加藤くんの部屋に入ってきたのは奏ちゃん。

「絶対にキスとかするなよ?」

「わかんねぇなぁ」

「したら、祟る」

そう言って加藤くんの胸ぐらを掴んだ奏ちゃん。

「これだけは言えるよ。恋咲ちゃんは俺が貰う」

「お前にとれるもんか。恋咲っちを手に入れるのは俺だ」

「せいぜい頑張れよ、腹黒」

そう言って奏ちゃんの手を振り払った加藤くん。


ロメオとジュリエットかぁ。私、出来るかな……。もし失敗しちゃったらどうしよう。ううん、頑張ろう。

「新塚妹、部屋に入っていいか?」

「どうぞ」

「演劇祭の席順。自由なんだけど、隣にいってもいいか?」

顔をりんごのように真っ赤にさせて言ってくる会長。な、なんか、こっちまで恥ずかしくなってくる。

「い、いいよ!」

「ありがとう。あ、お前のジュリエット、楽しみにしてる」

「ありがとう」

顔真っ赤にしてる会長は、とても、とっても可愛かった。