少し上機嫌になって思わずいいですよ、と言おうとしたその時。
「結衣。」
と誰かが私の名前を呼んだ。
振り向かなくてもわかる。
伊吹の声だ。
だけどいつもよりトーンが低く聞こえるのは気のせい?
………まあ気のせいだろうと思い振り向く。
「どうしたの?」
「………こっちは俺がやるから、今外で並んでる人たちの状況見てきて。」
………はい?
それなら伊吹が行けばいいじゃん、と思う。
それにさっきまで女の子に囲まれてなかったっけ?
みると、どうやら伊吹は女の子の集団から逃げてきたらしい。
…………逃げてきた?
伊吹に限ってそんなことするわけ…………
その時、理解した。
もしかして伊吹は私を助けにきてくれたのか!と。



