「結衣様………」


伊吹は横になっていたが、私が来たからといって起き上がろうとする。


「ああ、もういいってば。
寝といて大丈夫だから!」


「いえ、そんなの悪いですから……」


ゆっくり起き上がる伊吹の体を私は急いで支える。


「すいません、手伝ってもらって……」
「これくらい大丈夫だか………ら………」


そんな時、お礼を言った伊吹がふとこちらを向いた。


少し動けば触れ合う位置に私たちはいて、思わず固まってしまう。