「伊吹……!」 そしたらようやく伊吹は幹部の男の手を離した。 その男は離されるなり、咳をしていた。 幹部のくせに弱すぎなのか、それとも…… 伊吹が強すぎなのか。 私は後者だと思う。 私だとこの男に勝てていたかわからない。 そして伊吹がこちらを向き、近づいてきた。 「ご無事で、良かったです……」 「伊吹、もう動かなくていいから……!」 さっきよりも傷口が開き、服にどんどん血が広がっていってる。 だから私の方から急いで伊吹に駆け寄った瞬間…… ゆっくりと伊吹が私の方へと倒れこむ。