「この間は手下がお世話になったようで。
今回は幹部である私が来させていただきました。」
にこりと笑う男を私はじっと睨んだ。
「もしかしてあんたたちが………
梓と柚子を連れ去ったの?」
低めの声で私は言い、一歩そいつに近づく。
本当は今すぐ行きたいのだけど…………
「結衣様、危険です。
おさがりください。」
なんとか伊吹のおかげで感情任せにならずに済む。
「ゆ、結衣ちゃん……?」
「い、伊吹まで…………」
「結衣様…?どういうこと?」
みんなパニクっている。
そりゃそうなるよね。
すると男はニヤリと笑い、
「確かに連れ去ったけど、安心して。君の居場所を知りたかっただけで、人質とか汚い手は使いたくないからね。
なんなら今すぐ返してあげるよ?」
と言うとそれを合図に車から梓と柚子がでてくる。
その目は少し遠くから見てもわかるくらい、泣きそうな恐怖に怯える顔をしていた。
私の…………せいで………。



