「えー、何伊吹、覚醒しちゃってるじゃん。」
「覚醒ってなんだよ。」


「かっこいいこと言っちゃって。」


隼人くんがわざと女の子のような言い方をする。


確かに今の言葉は伊吹っぽくない。


「………?」


だけど伊吹は理解してないような顔をしていた。


あー、忘れてた。
伊吹は思ったことを正直に言うやつなのだ。


それなのに………


私のことは好きって言わない。
本当にずるい男。


そんなこと言われたら好きだってわかるっての。


まあそんな人を私は好きになってしまったのだから仕方ないと思い、私たちはスキー場に向かうためバスに乗った………。