伊吹は本気で反省しているような、そんな顔をしていた。


それが可愛くて、笑ってしまいそうになったけどこらえる。


向こうがそんなことをしたんなら、私だって………


「どりゃあ!」
「………っ、結衣様!?」


勢いよく伊吹に抱きつき、伊吹は倒れそうになるのをギリギリのところで耐えた。


私は顔を上げ、伊吹の目を見る。


「なんで?」
「えっ……?」


「なんで私にキスなんてしたの?」


伊吹に私のことが好きだって言わせてやろうと思った。


この状況なら好きと言わずにはいられないだろうと………。


案の定、伊吹は顔が真っ赤になってすぐには答えてくれない。


だけど少ししてからようやく口を開いたかと思えば………


「すいません………気を緩めて俺に体を任せた無防備な結衣様が………すごく可愛かったので………。」


「………っ!?」


まさかの予想外の返答に一気に顔があつくなり、私だって照れてしまった。