だけど伊吹の性格上、嘘はつけない。
それは京と龍同様に私も思っていることだ。
だからそのあとは伊吹から話を聞いて…………
どうやら伊吹のキスした相手とは、私だったようだ。
しかも私がソファで寝て、伊吹にお姫様抱っこをされた日らしかった。
よくよく思い出してみれば、まどろみの中で唇に何かが触れたような感触もあったような、なかったような………
と、とりあえず!
「し、信じられない………!」
正直、嬉しさと恥ずかしさが混ざった。
そ、そもそも私知らないし……!
仮にも初めてのキスが、そんな感じで終わっていただなんて………!
隠してるんなら最後まで隠し通してほしかった。
それは京と龍に対しても、だ。
嘘がつけない性格のせいで、こんなことになったのだ。



