すると一瞬で伊吹の顔は赤くなった。


「そ、それはですね……」


そして私を見たかと思えばすぐ視線をそらされる。


それがなんだか不自然で、引っかかった。


「………ねぇ、私には正直に話してくれるよね?」


ここで強く押してみる。


そしたら伊吹の口から予想外の言葉が。


「ほ、本当に悪気はなかったんです…………すいません。」


まだ頬を赤らめている。


…………え?


なになに、どういうこと?


普通その言葉って、キスした相手に言うもんじゃないの?


なのに私って…………


その時ふと、ある考えが頭に浮かんだ。


いや、まさかね…………
また期待して違うかったら恥ずかしいし。


もしかしたら………って思うけど、どうしてもその考えは捨てられなくてあえて笑顔で伊吹に言った。


「伊吹くん?どういうことか説明してもらえるかな?」


私が怒ってたかと勘違いしたのだろうか。


伊吹がやってしまった、という顔をした。