『私のせいでお母さんを悲しませるのは嫌だから、私はちゃんと笑ってるよ。』


『………どうして君は、それができるの?』


『どうしてって………強いから!
私は強いからできるんだよ。』


自慢気に答えたけど、本当は強くなんかない。


本当は泣きたい時だってあるけど、我慢してるのだ。


『僕にもそれができる?
強くなったらお母さんを悲しませない?』


『うん、できるよ!
お母さんの前では、笑うの。


それでも辛かったら………うーん……』


どうしようか。
そう考えた時、1つの案が思い浮かんだ。


『私の前では弱音を吐いていいよ。
いつでも聞いてあげる。』


『本当?』


『本当だよ!側にいてあげる。
だから頑張るんだよ?』


すると男の子はやっと悲しい顔をやめ、笑った。


その笑顔は私の心を奪った。


とても、綺麗で透き通るような笑顔だった。