どうしていいのかわからず、とりあえず男の子の頭をぽんぽんした。
お母さんが頭をぽんぽんしてくれる時、私はいつも心があたたかくなるからだ。
少しして男の子は落ち着き、小さく話しだした。
『僕のせいで………お母さんを悲しくさせてる………
僕がうまく笑えなくて、悲しい顔をしちゃうから………でも、苦しそうなお母さんを見ると僕も苦しくなる……』
まだ目を潤ませながらそう言った男の子。
幼い私だったけれど、私と同じ立場なのだと思った。
その男の子のお母さんもきっと何らかの病気なのだろうと思い、同じだと感じた。
『ダメだよ、お母さん悲しませちゃ。
男のくせに何メソメソしてんの。
そんな顔してたらお母さんが心配して当然だよ。』
だからこの男の子に、私の考えを話した。



