病院に運ばれたお母さん。


その日の夜にお母さんは目を覚ました。




………癌だった。




だけどまだ助かる可能性はあった。
だからその日からお母さんの闘いは始まった。


『あら、結衣。
毎日来てくれるけど大丈夫なの?』


病室に行くたび、笑顔を見せてくれるお母さんにどれほど安心したことだろう。


大丈夫、お母さんは死なない。


けど………日に日に痩せ細っていくお母さんを見ると心が痛くなる。


苦しくなる。


でも、お母さんが笑うから私も笑おうと決めた。


そんなある日………


病院の外のベンチに座っている、私と同じぐらいの男の子を見つけた。