「………は?」
目を丸くして呆然とする私を見て、伊吹が笑った。
「やっぱり気づいてくれなかったんですね。
俺が言ってるその子って………結衣様のことですよ。」
その瞬間、私は声にならない声が出た。
だ、だって………!
今の話に出てきたその子って、私のことなの!?
急いで昔を思い出す。
確かにお父さんも伊吹のこと覚えてないのかって言ってたけど………
あまり思い出さないようにしていた、昔の記憶。
もしかして昔、泣いている私を抱きしめてくれてたのって………伊吹、だったの?
そして昔の記憶が………一気に私の頭の中を駆け巡った。



