「もう俺は、その笑顔に騙されませんから。」 「………え……?」 もう騙されない? それってどういう意味? 「俺にくらいは言ってくださいよ。 弱音ぐらい、なんでも。」 だけどそう言って切なげな顔をする伊吹を見て、こっちまで泣きそうになる。 ………うん、本当は寂しいよ。 だけど強くあろうって決めたから。 お母さんみたいに強い人であろうと、決めたから……… なのに、なんでだろ。 自然と涙が出てくるのは……… 「………っ……」 そんな私を伊吹は優しく抱きしめてくれた。