だけど危険だと思った私はあいてる方の手で、伊吹を引き剥がそうとするけれどすぐその腕も掴まれてしまう。
これで完全に自由が効かなくなった。
「………いくら強くても、俺には敵わないですよ。」
その低く落ち着いた声が耳に響く。
冷たい瞳が私を見る。
その表情はあまりにも綺麗で………
素直に怖かった。
「これが結衣様が望んだことですか?」
「………っ。」
答える前に自然と涙が溢れてきた。
違う。
こんなこと私は望んでない。
私はただ、伝えたかった。
私には伊吹しか見えてないと。
だけどその状況が言わせてくれなかった。
それに、感情に呑まれる伊吹なんか………初めて見た。
どうしていいのかわからなくなっていると、伊吹が私から離れる。
「すいません、今の俺おかしいですよね………頭冷やしてきます。」
そう言って伊吹は外へと出た。



