「伊吹のバカ!顔に出てるくせに嘘つくな!」 こんな空気が続くのは嫌だ。 「見たらわかるよ。 本当は自分だって気づいてるんじゃ………きゃ!?」 どういう状況なのか。 理解するのに時間がかかった。 気づけば片腕を掴まれ、壁に押し付けられていた。 「………伊吹……?」 私の問いかけに伊吹は答えない。 ただ静かに私を見つめていた。 それが逆に怖くて、ぞっとする。 放課後の先輩の時のように蹴りを入れようにも、壁に押し付けられているためできない。 それに相手は伊吹だ、力の差が違う。