「早く行った方がいいんじゃね?
この先輩は俺が見とくから。」
隼人くんがわざと出て行きやすい雰囲気にしてくれる。
「………隼人くん、本当にありがとう……!」
私は素直にその優しさに甘えた。
「おう、じゃあな。」
「うん!また明日……!」
私はそう言って保健室を後にした。
走ったけれどもう伊吹の姿はない。
だけど伊吹のことだから帰らないとは思い、急いで鞄を取りに教室に戻ると柚子がちょうど教室から出てくるところだった。
「………あ、結衣!
大丈夫!?高谷に何もされなかった!?」
「………え?」
「さっき高谷に保健室連れ込まれてたでしょ?
急いで藤堂に助け求めたんだけど間に合ったってことだよね!?」
それで理解した。
なんであんなにも伊吹が焦っていたのかを。



