そんな時、視線に気づいたのか伊吹がこちらを向いた。
思わず動きを停止してしまう。
「…………あ、結衣様。
少し目を閉じてください。」
「えっ?」
私が聞き返す間も無く、ゆっくりと手が伸びてくる。
いや、伊吹のことだからそういうことはしないのだろうと思うけど。
思うけど………何されるのかわからなくてぎゅっと目を閉じる。
少し時間があいた後、伊吹の手が私の目尻に触れた。
「………まつげ、ついてました。」
その声を聞いて目を開けると、微笑む伊吹の姿が。
な、なんで………
私から手を繋いだりしただけで照れるくせに、これは平気なの!?



