「本当に強いね、伊吹って。
鈍感で純粋な照れ屋のくせにね。」


「それは………褒め言葉、でしょうか?」
「うん、まあそんな感じ。」


私の言葉に苦笑いを浮かべる伊吹。


そんな伊吹の手を、思いきって握ってみるとやっぱり顔を赤くするんだ。


「ほら、すぐ顔赤くなる。」
「………っ、それは反則ですよ……」


そんな伊吹を見て、私は思うんだ。


私しか知らない伊吹の顔があるのが嬉しいと。


それならまだしばらくはこのままの関係でもいいかな…………と思ってしまう自分がいた。