その後の男たちの表情を見て、伊吹は胸ぐらを掴んでいた手を離した。


そしたら男たちは急いで逃げていく。


…………ヤクザの、しかもだいの大人が背中を見せて逃げるってどうなの?


なんて思うけどまあいっか。


こっちにとったら好都合だ。


すると伊吹はこちらを向いて
「待たせてしまってすいません。」と謝った。


「あ、いや別に……」


私を守ろうとする時の伊吹は人が変わったんじゃないかってくらいのギャップがある。


こうしてみると、やっぱり幹部なんだなぁって思う。


ここまで忠実に、私を守ろうとしてくれる伊吹の姿に私はドキドキさせられるんだ。