正直嬉しいのか、ショックなのかわからない。


伊吹も私のこと好き、だってことだよね……?


だけど好きになったらいけないって。
なんで……?


私が組長の娘だから?


複雑な感情が私の中で入り混じる。


しばらくその場で立ち尽くした後、私は切り替えてまるで何事もなかったかのように教室のドアを勢いよく開けた。


2人ともこっちを向いて、向こうも何事もなかったかのようにして私に話しかけた。


「結衣、もう終わった?」
「聞いてくれよ西条ちゃん、せっかくのオフなのに伊吹に付き合わされたの。」


「何言ってるんだよ、隼人が勝手にいたんだろ。」


2人とも自然だった。


だからもし、さっきの会話を聞いてなかったら私はこんな感情にならなければ済んだのに、とも思う。