ーー「西条ちゃん、ここの問題わかる?」
………今は5時間目。
相変わらず伊吹の様子も変。
そして数学の時間なのだがみんなプリントの問題を解いていた。
「えーっとね、ここ。」
隼人くんがこちらに近づいてきて、ここだとプリントを指差す。
それは私がさっき解いたばかりの問題だった。
「あ、わかるよ。これはねー」
私が教えるとすぐに理解してくれた隼人くん。
「うわぁ、西条ちゃんわかりやすい!
ありがとな!」
「それは良かった。」
もう終わりだと思って自分の問題を解こうとしたら、今度はボソッと私に耳打ちした。
「………なんか伊吹、今日変じゃね?」
どうやら隼人くんも不思議に思ったらしい。