「お嬢………?」


京の声にはっとする。


「何?」
「あ、いや………何でもないっす。」


とりあえず、私が好きだってことを伊吹にバレたら迷惑になるかもしれない。


ていうか絶対迷惑だ。


護衛が目的の相手に惚れられても困るだけだと思うから………


それ以上、伊吹のことを考えるのをやめた。


その後もしばらく話していると、お父さんがいる部屋のドアがガチャリと開いた。


私もお父さんと話そうと思い、行くと伊吹の頬が少し赤い気がする。


何照れてるんだろ?と思いながら歩くと伊吹が私に気づいた。


かと思えば今度ははっきりと顔が赤くなり焦り出す伊吹。


「ゆ、結衣様……!ど、どうかしましたか……!?」


「え?普通にお父さんと話そうと……」


「あ、はいすいません!
すぐどきますね!」


「あ、うん………?」


明らかに態度がおかしい伊吹を不思議に思いながらも、私はお父さんがいる部屋へと入った。