SKETCH BOOK




橙輝の言葉にゾクリとした。


不覚にも背筋が凍りつく。


壁に追い詰められて、両手を掴まれた。


振り払おうとしても、ピクリともしない。


片手で両手の自由を奪われ、
橙輝の顔が近づいてくる。


息がかかるくらいの距離を詰めると、
耳を甘噛みされた。


「ふっ……ぅ」


ざらついた舌の感触が心地いい。


甘噛みをしたと思ったら、
今度は痛いくらいの刺激が襲う。


それだけであたしは、
腰が砕けそうになった。


ずるりと膝が抜けたあたしの体を、
橙輝の膝が支える。


気付けば一瞬のうちに、
橙輝のいいようにされていた。


「なあ、百瀬。……いや、梓」


名前を呼ばれて、体が反応する。


こんなこと、したくないのに……。





「力、抜けてるぞ?いいのか?」


「……な、なん、で……ふっ……」


「俺に構うなって前から言ってんだろ?
 それでも近づくお前が悪い」



散々耳を蹂躙された後、
今度は唇に温かいものが触れた。


柔らかいそれは心地いい。


舌で壁をつつかれる拍子に、
思わず口を開けてしまう。


すると一気に舌が差し込まれ、
口内を舌が暴れていく。


「ん……むぅ……んぁ」