SKETCH BOOK




よくあるドラマや映画なんかでは、
青春っぽく屋上でのシーンが多い。


けれど現実はそんなに甘くない。


屋上へ続く扉は鍵がかかっていて、
外に出ようにも出られない。


仕方なく階段に座って目を閉じた。


目まぐるしい二日間のことを整理する。


お母さんとお父さんの喧嘩の理由は、
いつもしょうもないことばかりだった。


帰りが遅いとか、家事が雑だとか、
話し方が気に入らないとか、そんな感じ。


でも、お母さんとお父さんが
離婚を決めたのはどうしてだろう。


……あたしのせい、かな。





考えれば考えるほど、寂しくて
惨めな思いに駆られる。


それでもあたしは、世の中
あたしと同じ経験をしている人の中では


マシなほうなのかもしれない。


だって、お母さんはもうすぐに
次の再婚相手を決めたもの。


新しいパパ、そして驚いたけれど
兄妹になる橙輝。


あたしが慣れさえすれば、
それなりの幸せが待っているのかもしれない。